2021年08月31日

ピストンの計算の1.4 ストロークスペーサー

ピストンの運動の計算の前にもう一点。


ストロークスペーサーは、シリンダーのヘッド側に入れて、ピストンの終端側ストロークを短くするもののようです。

ピストンの計算の1.4 ストロークスペーサー

簡単に考えて、
コッキング時のスプリングたわみ量は変わらないので、
”ボルトをコッキングする時のストロークが短くなるだけ”
と思っていました。
初期荷重が大きくなるのでボルトを引く仕事量も大して変わらないのではと。

ピストンの計算の1.4 ストロークスペーサー


バレル内の計算で求めると、
弾が発射されるのはピストンストロークの2/3くらいのところらしいので、
後半の30mmほどは無駄に排気しているだけのようです。
その証拠に、エアブレーキロッドなるものの長さが20mmほどもあって、
これはノズルを塞ぐわけなので、この間は玉に対しては仕事をしていないということ。

実際エアブレーキロッド無しのピストンにして、25mmほどのスペーサを入れてみても、初速は変わりませんでした。

ピストンの計算の1.4 ストロークスペーサー

と思っていましたが、
まじめにバレル内の計算にストロークスペーサーを取り入れてみると、
そんな簡単ではないみたいです。

まずその前に。
圧力を2気圧まで上げるには、ストロークの半分までピストンを進めなければいけないということです。
圧縮前の容積が半分になった時に2気圧になるわけです。
シリンダの径や長さをいろいろに変えても、この原則は変わらないはず。


それをふまえて。
スペーサーを入れるとストロークが減ります。
たとえば20mmのスペーサーを入れるとストローク90mmだったものが70mmになります。
ストロークが減った分、ピストン位置がスペーサーを入れる前と同じでも圧力は高くなっているはずです。
入れる前は45mm地点で2気圧ですが、入れた後は35mm地点で2気圧に達し、45mm地点では2.8気圧になる計算です。


ただし、
これはノズルを塞いだ時の簡略化した時の話であって、
玉を押すときには、
玉が進んでいく分のバレル容積がプラスされるので、
ピストンの受ける反力が違ってきて、
同じバネであっても、
ピストン位置と時間の関係には変化がでると思います。
でも、もしかすると、玉が銃口から出るタイミングが早まるかも。  ←妄想です。


たぶん、
チューニングをすすめていくと
圧力を早くあげたいという場面が出てくることもあると思いますが、
そういう時に有効になるかもしれません。

加速ポートは、ピストンの速度は早めに上がりますが、シリンダ内の圧力の上がりは遅くなる方向かな。

まずは現象があって、それを科学で立証して、
ある程度までを計算で検討できるようになったらおもしろい。







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