2024年04月05日

0.28gの飛び方

前回、0.43gのBB弾をどう飛ばせば良いのか?をシミュレーションしてみました。
そして
ホップは万能ではなくて、弱ければ落ちるだけ、
水平射ちだしではホップを強くしすぎても山なりになるだけで、上向けて射ってるのとあんまり変わらない。
俯角をつけてS字弾道にしても上下の振れ幅が大きくてフラットにはできない。
(S字は、マトの距離によって着弾高さが変化するので、狙点の補正が必要になる。 --> 弾道計算機能付き照準器が有効!)

というようなことがわかりました。


ここで、
じつはフツーの0.28gの玉の素性を知らないでいたことに気が付きました。(汗

0.28g BB弾の弾道についてシミュレーションしてみます。

まずは
VSRノーマルでの最大ホップ回転数220rps程度では、
今までの実験で、玉の重さが1.5倍になるとホップ回転数は1/√1.5 = 1/1.24くらいになるみたいです。← 妄想です。


30m地点でのドロップ量は3cmほど。
上昇量も3cm程度と上下の振れはほとんどなく、
30mまではフラット弾道と言っても良いのかな、と思います。
TM ノーマルVSR-G & TM 0.28gBB弾での想定使用範囲ということでしょうかね。
優秀な弾道だと思います。


でも、
これで満足できないのがチューナーというものです。

ここからは、
水平に射ちだした時に、射った高さに着弾するホップ回転数
をマト距離10mごとに探ってみます。


30m 225rps


40m 260rps
 ↓ 0.43gの時の40m 425rpmとくらべると(再掲)

0.28gの方が上昇分がすこしばかり大きいようです。



50m 300rps
上昇量は40cmほどもありますが、使いようによってはいけるのかな???


60m 360rps
上昇量が1.2mもあるので、すでに大砲のようです。

今までの実験で、現実に出せた最大ホップ回転数がこの辺りです。
(DE magpul PRO700 MIYA-VSR風パッキン & エレベーター平押しゴム)


70m 420rps



80m 480rps
もう、どこ行ったかわからないほどの鬼ホップなんでしょう。
これ以上ホップ回転を上げられても意味はないように思えるので、

次に
S字弾道にしてみます。


さきほどの60m 360rpsの弾道では、上昇量が90cm(1.2m - 射ち出し高さ0.3m)もありました。


これを1°俯角をつけて下向きに打ち出すと

下降量10cm、上昇量20cmにおさまるようになりますが、距離は50mほどまでとなります。

これだとちょっと上下の振れ幅が大きいので、

実践的には、ホップ回転数を300rpsとした時の、上下振れ幅15cm以内で40mまでのこのくらいなんじゃないかなと思います。

玉が軽い方が初速が高いので前半のホップの効果は大きくなって、上昇は大きくなり、
しかし後半は、空気抵抗によって速度の落ち方が大きくなり、またホップ回転の減衰(回転慣性力が小さい)も大きいはずなので、揚力は小さくなり落下しやすくなります。(ホップ自体の利き方も弱くなるし、飛翔時間が長くなるので重力落下量が大きくなる。)
(重力はつねに一定!!!!!なので)

ん?、
ということは、
前回0.43gは遠距離には向かないと思ったばっかりなんですが、
0.28gのほうがさらに遠距離には向かないみたいに思えました。

とすると、
やっぱり遠距離は重い玉のほうがまだマシなのかな???



追伸
”マトを狙って射つ” ということから検討してみた結果なので、
サバゲとか使い方によってはまったく違う見解になることもあるのではないかと思います。
  

Posted by C.A.M. at 17:31Comments(0)弾道計算BB弾

2024年04月04日

0.43gの飛ばさせ方

実際0.43gはうまく運用できるのか?

初速は規制があるので上限があります。
ここでは66m/secに固定しておきます。

ホップ回転数は規制はないけど、現実的にそんなに高い回転数は出ない。
けど、シミュレーションだったらどこまでも回転を出せるので、どんな弾道にできるのかを探ってみます。



VSRノーマルのホップ回転数180rps程度の場合


水平射ちだしではドロップが大きいので、

仰角をつけて射ち出すしかありません。

1.5°上向きというのは、30m先のマトの中心の80cm上を狙うこととなります。

ホップ回転が全然足りません。



次に、
今までの実験にて実現できたホップ回転数のほぼ上限
320rps程度での弾道を探ってみます。
(DE magpul Pro700 + MIYA-VSR風パッキン + エレベータ水平押しゴム)



水平射ちだし。
これでも30mでのドロップ量が25cmほどもあります。

マトの真ん中に当てるためには、

仰角を0.5°つけることになります。
これは、30m先のマトの26cm上を狙うことになります。


ちなみに
遠距離狙撃用に傾斜レールというものがあります。
だいたい20MOAほど傾斜しているそうで、これは0.32°に相当します。

先ほどの0.5°は30MOAくらいに相当するので、20MOAでは、10cmほど下に着弾してしまいます。

マトまでの距離が25mくらいだとちょうど真ん中にきそうです。


ついでに
大砲撃ち(仰角20°)では、

100m届く!?のかな。


ここまでで、
”弾道は、ホップ回転数と射ち出し角度によって決まる。”ということがわかるかと思います。




実現可能なのかは置いておいて、もっとホップ回転数を上げてみたらどうなるのか?

水平射ちだしにこだわれば、

390rps出せれば、30m先のマトの真ん中を狙えます。
もっと長掛けのパッキンが使えるようになったとしても、実現できそうなのはこの辺りまでなような気がします。 ← 妄想です。


425rpsで、やっと40m。


460rpsで、やっと50m。
しかし、上昇量が大きくなって、最大で25cmほども玉が上がってしまいます。


505rpsで、やっと60m。


555rpsで、やっと70m。
上昇量は1mにもなってる。
もうすでに大砲弾道。


615rpsで、やっと80m。

これをS字弾道にすると

俯角 −1.5° で65mくらいまでしか飛ばなくなるようです。
しかも、上下の振れ幅はけっこう残ります。


いくらホップをかけられたとしても、まともな弾道が得られるのは40mくらいまでなんじゃないかな?
0.43gは遠距離には向かないみたいに思います。 ← 妄想です。

ホップ回転の揚力と重力のバランスで弾道が決まるわけで、
ホップ回転による力=マグヌス力は並進速度にも比例するため、遠くまで飛んで速度が低くなると揚力が小さくなって落ちやすくなる。
重力は常に一定なんだけど、飛んでいる時間が長いほどたくさん落ちるわけで。。。。

ホップ回転の減衰もあるので、重い玉ほどバランスを取るのは難しくなって、
前半の過剰な揚力と後半の揚力不足によるドロップで、山形になってしまうということかな。


それとも、もっと別のセッティングがあるのかな???









  

Posted by C.A.M. at 08:23Comments(0)弾道計算BB弾

2024年03月20日

KAZv3H まとうち

ホップ回転数を測って、、、

やっぱり 射ってみないと。


VSRにもモノポッドを付けたけど



三脚状態で狙点を少し動かすのって意外に難しいです。
かまえのチカラ加減でストックがグニャグニャして 狙点が動く。。。



距離7.5m。


ターゲット

0.28g


0.36g




タマモニロガーの玉重量設定画面

0.43g



集計


ホップ回転数はちょっと前に測定した値を使用して、初速と飛翔時間と着弾高さから空気抵抗係数と揚力係数をケーサン。
0.28g

ケッコーなハチワレ傾向あり。

0.36g

0.28gよりもまとまってるよう。

0.43g

まとまりが良くなったようなのですが、横へのフライヤが多め?

空気抵抗係数、揚力係数とも高めに出ました。
といっても、
バレルが上向いている疑いがあるため、絶対値は当てになりません。


なので、
弾道計算で比較してみます。

0.28g
これだと7.5m地点は見にくいので、撃ち出し高さの設定を変更。

弾道高さは25mmと求まりました。

同様に0.36g、0.43gの時の弾道計算高さを計算して、
実験値と比較。

絶対値が2〜3cm違っているので、変化を比べてみます。

測定値の方が変化が大きいことから、
もしかすると揚力係数が大きめなのかもしれない疑惑が浮かんできました。 ← 妄想です。


集弾性に関しては、
玉の重さによって集弾パターンが違ってくるような気がしました。
玉がホップパッキンから抜け出す時のチカラ加減が変化するんだと思います。
(ホップ回転数が変化しているんだから抜け出し時の状態は間違いなく違っているはずです。)

玉の重さによって
左右の平均位置が変化してしまっているのは、パッキンの組み方が傾いているせいじゃないかな。
チャンバは思った以上に精密さが必要な気がしてきました。
(重い玉の方が慣性による直進力が強いはずなので、パッキンゴムの左右の不釣り合いな力にも強いのかも?)  

2023年08月01日

スピンパラメータの3  空気抵抗係数Cd と 揚力係数Cl

0.20g、0.28g、0.46gの三種の玉を
ホップを変えて射ってみました。

玉の重さが違うと、玉速度が違うようになるので、レイノルズ数が変わります。
スピンパラメータV/Uの分母U玉の並進速度が変化します。

ホップ強度を変えるとホップ回転数が変化するので、スピンパラメータの分子V=rω玉の回転周速度が変化します。


@2.5mでの着弾位置 (着弾高さ=重力ドロップとホップ揚力の結果)
0.20g

表の数値は5発の平均です。


クリック0と20では着弾高さが5.5mm違ってきています。


0.28g



クリックをあげていくと着弾位置は高くなっていく傾向はあるようですが、
クリック0と5では反転していて、
また、0と20での差は2.4mmしかありませんでした。


0.46g



これもいちおうはクリックをあげると着弾位置は上がりますが、
0と20での差は3.2mmでした。
集弾は良いみたいです。




空気抵抗係数Cd


これらの射った結果について弾道計算をシミュレーションして空気抵抗係数を求めました。
(揚力係数は0.12に固定して)

スピンパラメータと空気抵抗係数Cdの関係は

玉の重さが違っていると同一線上には載らないようです。
このデータだけを見る限りでは、スピンパラメータとCdは無関係な感じです。


速度との関係を見てみると

つまりはレイノルズ数との関係とほぼ同じことになりますが、
こっちのほうが空気抵抗係数Cdの変化との関連性がありそうな感じです。


まだ実験サンプル数がすくないのと、数値範囲が狭いため、なんとも言えませんが。。。



揚力係数Cl


まだ、バレルの傾きを確認していないので、
とりあえず0.28gの結果に対して、
バレルが@2.5mで6mm上向きになっている、というのと4mm上向きになっている、の2点を仮定して、
(それぞれ着弾位置を−6mm、ー4mmして補正)
弾道計算のシミュレーションから揚力係数を算出してみました。






バレルが6mm上に向いていたという仮定からの算出値は青線でClが0.12〜0.17程度となりました。
4mm上向きの仮定ではClは0.16〜0.26程度となりました。

って、これがなんなのか、よくわかりませんので、
やはり銃身を水平に合わせてからデータをとらないとナニを測っているのかわからなくなります。

やり直してからモノ言うことにします。




  

2023年07月25日

スピンパラメータの2 @2.5m ストロボ&ターゲット

ハリスのバイポッドは反動を人間が受けるように銃が後ろ方向に動けるような作りとなっています。
そのため、ターゲットとの距離を精密に合わせたい時には、構え方で数mmは動いてしまい難しいです。

それと、ホップ回転数を同時に計測したかったので、ストロボとターゲットの連携実験としました。
なので、部屋の都合で距離は2.5mです。




まずは、

抜き弾抵抗力を測っておきます。


ホップパッキンはデリケートなようなので、その都度測っておかないといつのまにか違ってたりするみたいです。



初速センサの一つ目の光電センサからターゲットのマト板までの距離:2.564m。
コレが後で弾道計算シミュレーションする時に重要な数値となります。



ホップ回転数測定用高速ストロボ発光部。
ここをカメラで撮影してBB弾の回転数を解析します。



ターゲットに照準を合わせないといけないのでスコープを装着。
このスコープは3mくらいからきっちりピントが合わせられます。
銃口距離2.5m+スコープ対物レンズまでの距離40cmくらいあるのでピントはほぼオッケーです。



電子ターゲットのオフセット機能を使って、ターゲットの中心と銃口の高さを合わせます。
スコープの光軸と銃身軸は平行に合わせてるつもりなので狙点は、スコープと銃身のオフセット量分上方。

今回はマウントレール上面までが31mm、スコープマウントのオフセット分が39mmなので、合計70mm。
これを電子ターゲットの狙点表示機能で表示させています。



しかし、
実際にはスコープの光軸はスコープマウント下面と平行に合わせるしかないために、
銃の方の、銃身の向いている方向とマウントレールの平行がきちんと出ていないことが多いようなので
こういう精密実験では、当てになりません。

その1の時の感じでは、7.5mで10mmくらい上向いているかな?
2.5mだと3~4mmずれてくる?
コレ、確かめるには銃を左右に倒して射ったりしなきゃいけなくて、意外に面倒なんです。


つづく


  

2023年07月24日

スピンパラメータの1 @7.5m

どっか外国のペイントボールだかBB弾だかの研究を見ていたら、
スピンパラメータ(= ホップ回転速度/飛翔速度)によって空気抵抗係数Cdと揚力係数Clが変化する、
といった記述が見えました。

↑こんなの

これによると、
ホップ回転が高い(スピンパラメータV/Uが高い)時には、空気抵抗係数が大きくなって、揚力係数も大きくなっていく。
また、
ホップ回転がごく弱い時には空気抵抗係数は上がったり下がったりして、
揚力係数は、なんと負となり、負のマグヌス力、つまり降下する方向へと力が働くとありました。
それはおかしい。


で、読み進んでいくと、どーも彼らはホップ回転数についての見積もりが1桁以上ズレてる気がします。


んで、
ズレてる気がするだけでは証明にはならないので、
ボクなりの真実を知りたいがために
DIY実験で確かめてみます。




まずは、
いつものように7.5mからVSR-Gを使ってホップクリックをいろいろに変えて、
0.28g玉を電子ターゲットに射ちこみ、正確な着弾位置(今回は高さが主役)と着弾までの時間を記録します。

ホップ回転数は以前の実験結果から得られているおおよその回転数を使います。

測定値と計算値は

このようになりました。

まず、スピンパラメータの値ですが、0.0300〜0.0489と彼の地の研究と比べて一桁以上小さいです。
0.1以下の値ですから上記のグラフでは、ほとんど0のあたりかと思います。

そうすると、上記のグラフでは揚力係数Clが負となってしまいホップダウンするということになってしまいますが、
こちらの実験ではホップアップしているように見えます。


また、
ただホップ強度を変えていろいろに射ってみて実験すれば良いと思っていましたが、
実際行うとホップ強度を変えることで初速が変化してしまいます。

初速が変われば着弾までの時間も変化してしまいます。
なので、単純比較はできません。

測定結果の数値を弾道計算に当てはめてシミュレーションする必要があります。
そうやってみると、着弾までの時間が測定値とは一致しません。
弾道計算の式の内容を調べてみればわかりますが、これは完全球体の空気抵抗係数がBB弾とは合っていないのが原因かと思われます。
というのも、他の物性値はほぼ明らかにされているもので、不確定なものは空気抵抗係数Cdだけだからです。

また、
着弾の高さはCl=0.12としてシミュレーションしていますが、

これも測定値と計算値が合いません。
これは完全球体の揚力係数Clがやはり不確定な数値のためかと思われます。

また、
まだ確かめていないのですが、銃身の向きがスコープの光軸と完全な平行とはなっていないことの影響が出ているものと思われます。
本来、こちらの機械的なものの確認を先にやるべきですが、なかなかにメンドーなので。。。


と、
まだ正確な実験とはなっていませんが、とりあえずの傾向というか実験の練習というかの結果です。


スピンパラメータに対して、
Cdはほぼ一定。
Clは右上がり、ただし現状では銃身の向きのせいかもしれません。


いちおう、この実験手順で数字は出せそうな気がするので、こんな感じで進めていこうかと思います。


なお、彼の地の研究のもとになっているものは、ゴルフボールの論文のようです。






検索するといろいろ出てきて勉強にはなりますが、ゴルフボールはBB弾よりかなり大きいのでレイノルズ数も大きい領域での話となります。
また、表面のディンプルで乱流へ移行させ空気抵抗係数を小さくする工夫をされているようなモノとなっていますので、
完全球体に近いBB弾の完全層流域での挙動とはかなり違うのではないかと思われます。

でも理論の考え方などは使える部分もあるのかと思います。(たとえばスピンパラメータとか)




  

2023年07月10日

50m先の弾速から空気抵抗係数Cdを求めてみる

ガンジニア石岡さんのところから測定データをお借りします。

玉の重さ6種類について、
0m、10m、20m、30m、40m、50m地点での玉の速度を測定したデータです。



弾速の減衰はグラフのようになっているようです。




0m地点での弾速=初速として射ち出されたBB弾の弾道計算(シキノさんの研究によります)をして、10m地点での計算弾速を求めます。
これがぴたりとは一致しないので、不確定要素=空気抵抗係数をいろいろに変えてみて計算を繰り返し、
測定データと一致する弾速が得られた時の空気抵抗係数を求めます。

同様にして、20m、30m、、、と5つの空気抵抗係数を求めます。

0.28gの場合を例にすると

それぞれの空気抵抗係数値にて各地点の弾速を計算して表とグラフにしてみました。

10m地点では、Cd=0.407として弾道計算すると弾速は63.1〜2m/secと測定値と計算値がほぼ一致しますが、50m地点での計算弾速は23.14m/secとなり測定値の20.55m/secよりもちょっと高めとなってしまいます。

Cd=0.449とすると50m地点の弾速は約21m/sec(計算の間隔等がありピッタリとはできていない)となり、ほぼ一致しますが、
近い側の地点では弾速が低く計算されています。

このような傾向が全ての測定値についてあるようなので、弾速が低くなると空気抵抗係数Cdは大きくなるようです。


0.20g


0.25g


0.36g


0.40g


0.43g


なおホップ量は浮き上がらない程度と表記されていましたので、0.28g以下では弾道の浮き上がりが20cm程度となるようなホップ回転数としました。
0.36g以上ではかなり高めのホップ回転としても10cm程度の浮き上がりにしかならないようなのですが、高めな回転数に設定しすぎたかもしれません。

射ち出し角度は、水平0度で計算開始としていますが、40m、50m地点には届きそうにない弾道もあるようなので、実際の実験の際には仰角がついていたのかもしれません。



今回求められた全ての空気抵抗値をひとつのグラフにまとめてみると

大体の傾向は見えるようです。
Cd値は0.37〜0.48くらいの範囲で出現しています。


モリソンやC&Gの空気抵抗係数フィッティング式はレイノルズ数に対しての抵抗係数なので、なんとしても速度に対してのデータとしたいのですが、
ちょっと難しい。。。。



かなり無理矢理な方法として、
1.各地点速度の中間速度での表現。





2.各地点速度の平均値での表現。




速度の絶対値は物理的にも統計的にも意味がない数値となっているかと思いますが、傾向は見えたかな。
あまりに離れた値はなんかしら環境の影響を受けたのかもしれませんね。
かなり手間暇のかかる難しい実験だったのではないかと予想されます。



詳しいところがアイマイではありますが、
空気抵抗係数Cdはおおよそ0.39〜0.47くらいなようです。 ←妄想です。


じつのところ、この計算方法で空気抵抗係数を求めて良いものなのかもわかっていませんけれども。。。。


追記ーーーーーーーーーー
以前ボクがやった室内近距離での実験では、玉速度が高いほうが空気抵抗係数も高くなる、となっていて、
傾向が反対でした???

ボクの実験の時はホップを弱々にしていたので、
もしかするともしかしてホップ回転数の影響とかあるのかな?

それとも、ただ単に、遠距離では弾道が曲線になって、軌跡が長くなったりするからかな?
詳しく計算して比較してみたらわかるかもしれません???



  

2022年11月01日

ホップ回転数測定の6 たまもにすとろぼあんどたーげっと

電子ターゲットの玉受け部。

かわいい玉たちが回収されてます。








前回のマズル部での弾道のばらつきは、

実は、高速ストロボと電子ターゲットとタマモニの初コラボ実験でした。
なので、着弾位置のログも採れてます。




ソーチノガイヨー


いちおう、マトの真ん中に玉を向けたいのでスコープを取り付け。

狙点はマト中心より45mm上。
スコープオフセットが55mmなので、銃口高さはマトの10mm下ということになります。
銃の水平は置いたなりなので、仰俯角は不明ですが、水平から大きくは違っていないと思います。


ストロボ撮影するには真っ暗にしなきゃいけないので、

懐中電灯でマトを照らして。



ジッケンケッカ


距離はいいかげんな実験の時と同じで2.5m。

超ショートバレル48mmのばらつきは、

ショートバレル137mmの時と比べると

散りが大きいみたい。






話がズレました。


戻って、

マズル部での弾道の傾斜は、

正確にはインナーバレルの出口から250mmの所から450mmまでの弾道の上下の傾きで、
それを画像のピクセルから計算していて、-0.24〜+0.03度でした。
(カメラの傾きが含まれるので、0度が水平というわけではないです。)


この傾斜角度とマトでの着弾高さの関係を見てみます。

おおお!、当たり前なことなんですけど、
マズル部で玉が向っていた方向へとまっすぐ飛んでいって、マトに当たっているということをあらためて数値で見ることができました♪

tan 0.1° x 2.5m = 4.4mm なので、ピッタシ合ってます♪

線から離れている分がホップによるばらつきかな?


最初、ホップ回転数と着弾高さの関係を見てみたのですが、

これだとバラバラで相関性は不明な感じでしたが、

このマズル部での傾き分を除き、
ホップ回転数の差によるであろう分だけの着弾高さとの関係を見てみると、

相関性はあるように見えます。


ホップ回転数が20rps違う場合の着弾高さの差は、弾道計算から1.2mmと求められますが、
この実験結果では2mmくらいの差となっているようです。
実験する前は、たったの1mmほどの差なんて分かりっこないと思っていましたが、
正確な測定と統計計算によって見ることができるものなのですね!



ということから、
このホップ回転数の測定値のばらつきと着弾高さには関連性があるといってもいいようなので、
このホップ回転数のばらつきは、角度読み取り時のばらつきというわけではなくて、
実際にホップの回転数にばらつきがあると言っても良さそうです♪



実験の正確度を高めれば、着弾時の高さから揚力係数も求められるようになるかもしれません。





  

2022年10月05日

バレルとBB弾の直径差によって生じるばらつき

ホップ付きエアソフトガンの場合、
BB弾の直径とバレル内径には差があり、すきまのある管の中を玉が進む仕組みとなっています。

その差のために生じるであろう集弾性のばらつきについて
シキノートさんのWebページに理論が説明されています。



模式図の玉のジグザグな進路の刺激が強すぎるせいか、とても受け入れにくかった(失礼(^^;;)のですが、
自分の実験で得られた数値をあてはめて計算を始めたみたところ、やっとのことで意味がわかってきました。



計算例としてVSR10Gスペックの実験で得られた数値を使ってみます。
ホップクリックは20、玉は0.28g。マト距離を30mと想定しています。


まず、”バレル内を玉がジグザグに進む”といってもそのジグザグは(直径の差Δd=)0.13mm程度です。
もしバレルの中が見えたとしても目ではわからないくらいかと思います。

パッキン抜出速度は、抜き弾抵抗150gf(クリック20)の時、約4.0m/sec。

このパッキンを抜け出たところから、マズルから出るまでの時間がバレル内運動時間tbr=5.0msec。
この時間の間、玉がバレル管内をジグザグに進みます。


ホップを強めにかけようとすると抜き弾抵抗力が高くなり、シリンダの圧力が高まるまで玉は動き出しません。
玉がパッキンを抜けると高い圧力で加速されるため、ショートバレルではバレル内の玉の運動時間は短くなる傾向のようです。
(VSR10Gは加速ポートが設けてあるためにホップの強弱をかえても抜き弾時刻はさほど変化しないようです。)


玉がバレルから出て、30m先のマトに当たるまでの時間は、
弾道計算より0.61sec。



ここで、玉が飛んでいく方向と垂直の速度成分を横速度と呼ぶことにします。
これが集弾のばらつきとなる速度になります。
この横速度は玉が動き始める時にバレルと中心がズレていたり、
ホップパッキンから抜け出る時に曲がって飛び出した、
などが原因で起きるものと思われます。
その時の横向きの初速度を横初速と呼ぶことにします。

横初速はパッキンからの抜け出し速度の一部と考えられるので、それよりは小さいんじゃないかと思いますが、確証はありません。


いろいろな横初速についてバレルから出る時の横速度と30m先のばらつきを計算してみました。



バレル内での玉の衝突回数はこの式によります。
(eは跳ね返り係数。自然対数の底ではないので注意です。)

バレル内での運動時間が短い(ショートバレル、高初速)と衝突回数は少なくなります。
バレルと玉の直径差が大きい(ルーズバレル)と衝突回数は少なくなります。
衝突の回数が少ないと横速度の減衰が少なくなり、集弾性がばらつきます。


横初速が小さい(要因は????後述にて推測)と衝突回数は少なくなります、となるのですが、
この横初速が小さいということは、ばらつきの大元の要因が小さくなることを意味するので、
この場合だけは”衝突の回数が少ないと集弾性がばらつきます”とはならないです。

もし、横初速がゼロだったら、バレルに衝突することもなく、マトの真ん中に当たり、ばらつきはゼロとなる という理論だと思います。
ちょっとややこしいです。




グラフにしてみるとよくわかりますが、横初速が2m/s以上、衝突回数にして10回以上ではばらつき量はほとんど変わらなくなくなります。
これがバレルによる集弾性向上効果なのではないかな。
玉の動き出しの暴れがバレルの中を衝突しながら進むうちに横速度成分が減衰して真っ直ぐに整えられる、ということだと思います。


で、30m先では


ノーマルのVSR10Gスペックで30m先のマトを狙った場合、
バレルの集弾効果によって、玉のばらつきは130mm弱にまとまる。
という計算結果になりました。


まとめ

シキノさんの計算例では、600mmという長いバレルと、ノンホップ時の運動時間を用いることで、
エアソフトガンの理論的な集弾限界を求めるものとして、30mで3cm以内にはできないというふうに結論づけているようです。


今回のここでの計算結果はノーマルなVSR Gスペックでの数字ということになりますので、
まとめかたが異なっていますが、理論は同じ(僕が間違えていなければ)と思います。


で、
実際のエアソフトにおいては
ホップパッキンから抜け出る時の玉の挙動が集弾性のバラツキに大きく影響するのではないか?
と予想してみました。



注意)
なんだか間違っていそうなので、気がついたら こそっと直しておきます。  

2022年09月17日

空気抵抗係数の2 ルンゲクッタ=フェールベルグ法

MACにしてからパソコンのプログラミングってやってなくて、
ホップ回転数測定のために超久しぶりに再開したわけです。
言語はpythonで、昔、初プログラミングで使ったN60-BASICとかと似ています。

せっかくなので、弾道計算もpythonで。
せっかくなので、シキノートさんのルンゲクッタ法で。


いちお、コードはバックアップ目的でGitHubに置いてあります。
眺めてみたい方はどうぞ。


できました♪


シキノートさんのはfortranのコードで、理想弾道やゼロインのための計算機能があるのですが、
そこははしょって、僕の使い途に合わせます。


以前からやっていたBB弾の空気抵抗係数測定のための機能を持たせます。

実験測定値は、
各種気象、玉条件のもと
マトまでの距離と初速と着弾までの時間です。

最初は、初速とマトまでの距離で弾道計算をしてそれでオッケーとしていましたが、
到達時間を比べてみたところ、実験値と計算値に差がありました。
計算式を見てみるとこの差は空気抵抗係数によって生じるものと思われました。
もともと、空気抵抗係数は実験によって求められた数値で、
しかも真球、完全な球形に対しての値かと思われます。
BB弾はちょっとばかり丸くないところがあるので修正が必要かと思います。

また、空気抵抗係数の1 で見たとおり、学者さんの目的によっては係数に範囲が生じてしまっています。


で、これをプログラムして、
着弾時間に対して計算で求まるマトまでの距離が、実験の測定値と一致するような空気抵抗係数を見つけ出すようにしました。
とりあえず、どのくらいの数値かの確認のため固定値として見ています。
実際は玉の速度によって係数が少しばかり変化するようです。



この例では、0.4538と求まりました。


これまでは、表計算シートでやっていました。
空気抵抗係数を手動で変えて、マト距離に到達する時間の計算値を見て、
また係数を変えてみて、の繰り返しで、求めていました。

結果が全然違っていたら嫌だなぁ、と心配でしたが、ほとんどおんなじ数値だったので一安心。

そして、この数値はMorrisonとClift&Gauvinの数値の間に入っているので、まんざらデタラメではないと考えていいんじゃないかな。



この実験、距離の測定を正確にやらないと精度でないようです。
レーザー距離計で測ってますがどうなんだろ??